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Cyclotomic Equation: x^17-1 = 0


[2002.12.31] 円分方程式 x^17-1 = 0


■円分方程式 x^17-1 = 0
ここでは、2番目のFermat素数 F2 = 2(22)+1 = 17について、円分方程式 x17-1 = 0が2次方程式の組合せで解けることを示す。

ζ = ζ17 = e2πi/17とする。

ζ17-1=0,ζ!=1より、
   ζ16 + ζ15 + ζ14 + ζ13 + ζ12 + ζ11 + ζ10 + ζ9 + ζ8 + ζ7 + ζ6 + ζ5 + ζ4 + ζ3 + ζ2 + ζ = -1
を得る。

素数17の原始根(primitive root)の1つとして、例えば、3を取る(あるいは、5,7,11を取っても同様に議論できる)。
    316 ≡ 1(mod 17)
    {ζi|i=1,2,...,16}={ζ3i|i=0,1,...,15}
である。

■{ζi|i=1,2,...,16}を2つの集合P0={ζ32i|i=0,1,...,7},P1={ζ32i+1|i=0,1,...,7}に分ける。
集合P0,P1の元の和をそれぞれp0,p1とする。つまり、
p0 = Σi = 07ζ(32i) = ζ16 + ζ15 + ζ13 + ζ9 + ζ8` + ζ4 + ζ2 + ζ

p1 = Σi = 07ζ(32i+1) = ζ14 + ζ12 + ζ11 + ζ10 + ζ7 + ζ6 + ζ5 + ζ3
とすると、簡単な計算で、
    p0+p1 = -1
    p0p1 = -4
であることが分かる。
よって、p0,p1は、整数を係数とする2次方程式
    x2+x-4 = 0
の2根(実数)である。p0>0>p1であることが容易に分かるので、
    p0 = (-1+sqrt(17))/2
    p1 = (-1-sqrt(17))/2
である。

■{ζi|i=1,2,...,16}を4つの集合Q0={ζ34i|i=0,1,2,3},Q1={ζ34i+1|i=0,1,2,3},Q2={ζ34i+2|i=0,1,2,3},Q3={ζ34i+3|i=0,1,2,3}に分ける。
集合Qjの元の和をそれぞれqj(j=0,1,2,3)とすると、
q0 = Σi = 03ζ(34i) = ζ16 + ζ13 + ζ4 + ζ
q1 = Σi = 03ζ(34i+1) = ζ14 + ζ12 + ζ5 + ζ3
q2 = Σi = 03ζ(34i+2) = ζ15 + ζ9 + ζ8 + ζ2
q3 = Σi = 03ζ(34i+3) = ζ11 + ζ10 + ζ7 + ζ6
となる。
簡単な計算で、
    q0+q2 = p0
    q0q2 = -1
であることが分かる。
よって、q0,q2Q(p0)の元を係数とする2次方程式
    x2-p0x-1 = 0
の2根(実数)である。容易に、q0>0>q2であることが分かるので、
    q0 = (p0+sqrt(p02+4))/2 = (-1+sqrt(17)+sqrt(34-2*sqrt(17))/4
    q2 = (p0-sqrt(p02+4))/2 = (-1+sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))/4
となる。

同様に、q1,q3については、
    q1+q3 = p1
    q1q3 = -1
を得る。q1>0>q3より、
    q1 = (p1+sqrt(p12+4))/2 = (-1-sqrt(17)+sqrt(34+2*sqrt(17))/4
    q3 = (p1-sqrt(p12+4))/2 = (-1-sqrt(17)-sqrt(34+2*sqrt(17))/4
となる。

■同様に、rj = Σi = 01ζ(38i+j)(j=0,1,...,7)とすると、
    r0 = ζ16 + ζ
    r1 = ζ14 + ζ3
    r2 = ζ9 + ζ8
    r3 = ζ10 + ζ7
    r413 + ζ4
    r512 + ζ5
    r615 + ζ2
    r711 + ζ6
である。
よって、簡単な計算により、
    r0+r4 = q0
    r0r4 = q1
    q02-4q1 > 0
となる。よって、r0,r4は、Q(q0,q1)=Q(q0)の元を係数とする2次方程式
    x2-q0x+q1 = 0
の2根(実数)である。
r0> r4> 0であることが分かるので、
    r0 = (-q0+sqrt(q02-4q1))/2 = (-1+sqrt(17)+sqrt(34-2*sqrt(17))+sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))-8*sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(34-2*sqrt(17))))/8
    r4 = (-q0-sqrt(q02-4q1))/2 = (-1+sqrt(17)+sqrt(34-2*sqrt(17))-sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))-8*sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(34-2*sqrt(17))))/8
となる。
同様にして、
    r1+r5 = q1
    r1r5 = q2
    r2+r6 = q2
    r2r6 = q3
    r3+r7 = q3
    r3r7 = q0
を得る。r1> 0> r5より、
    r1 = (-q1+sqrt(q12-4q0))/2 = (-1-sqrt(17)+sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(2)*sqrt(34-6*sqrt(17)-8*sqrt(34-2*sqrt(17))-sqrt(34+2*sqrt(17))-sqrt(17)*sqrt(34+2*sqt(17))))/8
    r5 = (-q1-sqrt(q12-4q0))/2 = (-1-sqrt(17)+sqrt(34+2*sqrt(17))-sqrt(2)*sqrt(34-6*sqrt(17)-8*sqrt(34-2*sqrt(17))-sqrt(34+2*sqrt(17))-sqrt(17)*sqrt(34+2*sqt(17))))/8
となる。
r2> 0> r6より、
    r2 = (-q2+sqrt(q22-4q3))/2 = (-1+sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))+sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)+sqrt(34-2*sqrt(17))+8*sqrt(34+2*sqrt(17))-sqrt(17)*sqrt(34-2*sqt(17))))/8
    r6 = (-q2-sqrt(q22-4q3))/2 = (-1+sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))-sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)+sqrt(34-2*sqrt(17))+8*sqrt(34+2*sqrt(17))-sqrt(17)*sqrt(34-2*sqt(17))))/8
となる。
r3< r7< 0より、
    r3 = (-q3-sqrt(q32-4q0))/2 = (-1-sqrt(17)-sqrt(34+2*sqrt(17))-sqrt(2)*sqrt(34-6*sqrt(17)-8*sqrt(34-2*sqrt(17))+sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(34+2*sqt(17))))/8

    r7 = (-q3+sqrt(q32-4q0))/2 = (-1-sqrt(17)-sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(2)*sqrt(34-6*sqrt(17)-8*sqrt(34-2*sqrt(17))+sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(34+2*sqt(17))))/8

となる。

■最後に、ζ16,ζについて、
    ζ16+ζ = r0
    ζ16ζ = 1
である。よって、ζ16,ζは、Q(r0)の元を係数とする2次方程式
    x2-r0x+1 = 0
の2根である。
Im(ζ)> 0> Im(ζ16)より、
    ζ = (r0+sqrt(r02-4))/2
    ζ16 = (r0-sqrt(r02-4))/2
となる。よって、
    Re(ζ) = r0/2 = (-1+sqrt(17)+sqrt(34-2*sqrt(17))+sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))-8*sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(34-2*sqrt(17))))/16
    Im(ζ) = sqrt(4-r02)/2 = sqrt(136-8*sqrt(17)+16*sqrt(34+2*sqrt(17))+4*sqrt(34-2*sqrt(17))-4*sqrt(17)*sqrt(34-2*sqrt(17))+(-1+sqrt(17)+sqrt(34-2*sqt(17)))*sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))-8*sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(3-2*sqrt(17))))/16
を得る。つまり、
    ζ = (-1+sqrt(17)+sqrt(34-2*sqrt(17))+sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))-8*sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(34-2*sqrt(17))))/16
+sqrt(-1)*sqrt(136-8*sqrt(17)+16*sqrt(34+2*sqrt(17))+4*sqrt(34-2*sqrt(17))-4*sqrt(17)*sqrt(34-2*sqrt(17))+(-1+sqrt(17)+sqrt(34-2*sqt(17)))*sqrt(2)*sqrt(34+6*sqrt(17)-sqrt(34-2*sqrt(17))-8*sqrt(34+2*sqrt(17))+sqrt(17)*sqrt(3-2*sqrt(17))))/16
である。

■以上により、円分方程式 x^17-1 = 0は、四則と開平の演算によって解くことができることが分かった。言い換えると、円の17等分点は作図可能であり、円に内接する正17角形は作図可能である。

    [Q(ζ):Q] = 24
    [Q(ζ):Q(r0)] = [Q(r0):Q(q0)] = [Q(q0):Q(p0)] = [Q(p0):Q] = 2

    Gal(Q(ζ)/Q(r0)) = Z/2Z
    Gal(Q(r0)/Q(q0)) = Z/2Z
    Gal(Q(q0)/Q(p0)) = Z/2Z
    Gal(Q(p0)/Q) = Z/2Z



[参考文献]


Last Update: 2013.01.05
H.Nakao

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