Birational map between y^2=ax^4-bx^2+c^2 and y^2=(x+b)(x^2-4ac^2)
[2003.03.29]y2 = ax4+bx2+c2からy2 = (x+b)(x2-4ac2)への双有理変換
■楕円曲線
E1: v2 = au4+bu2+c2 ------ (1)
は、楕円曲線
E2: y2 = (x+b)(x2-4ac2) ------ (2)
と双有理同型(Q-isomorphic)であることを示す。
ただし、a,b,c ∈ Q,ac!=0,b2-4ac2!=0とする。
E1は有理点(0,±c)を持つことに注意する。
最初に、以下の有理変換φ:(u,v)→(x,y)を考察する。この有理変換は[1][2]による。
x = 2c(v+c)/u2 ---------- (3)
y = {4c2(v+c)+2bcu2}/u3 -------- (4)
逆変換φ-1:(x,y)→(u,v)を求める。
(3)より、
v+c = xu2/{2c} ------ (5)
となる。(5)を(4)に代入して、
y = {2cxu2+2bcu2}/u3 = {2c(x+b)}/u
u = {2c(x+b)}/y ----------- (6)
を得る。(6)を(5)に代入して、
v+c = 2cx(x+b)2/y2 ------ (7)
つまり、
v = {2cx(x+b)2-cy2}/y2 ------ (8)
を得る。まとめると、φ-1は有理変換
u = {2c(x+b)}/y
v = {2cx(x+b)2-cy2}/y2
である。
■楕円曲線E1上の点(u,v)について、(x,y) = φ(u,v)とする。
計算を簡単にするため、(1)を変形して、
v2-c2 = au4+bu2
(v+c)((v+c)-2c) = u2(au2+b) -------- (9)
を得る。
(9)に(5)を代入して、両辺に4c2/u2を掛けると、
x(xu2-4c2) = 4c2(au2+b)
u2(x2-4ac2) = 4c2(x+b) ------ (10)
を得る。(10)に(6)を代入して、両辺にy2/{4c2(x+b)}を掛けると、
(x+b)(x2-4ac2) = y2
つまり、
y2 = (x+b)(x2-4ac2)
となる。
直接、(y2-(x+b)(x2-4ac2))に(6),(8)を代入して、pari/GP,asirで計算しても良い。
[pari/GP]
gp> g(x,y)=y^2-(x+b)*(x^2-4*a*c^2)
time = 0 ms.
gp> g(2*c*(v+c)/u^2,(4*c^2*(v+c)+2*b*c*u^2)/u^3)*u^6
time = 3 ms.
%57 = -8*c^3*v^3 + (-4*c^2*b*u^2 - 8*c^4)*v^2 + (8*c^3*a*u^4 + 8*c^3*b*u^2 + 8*c^5)*v + (4*c^2*b*a*u^6 + (8*c^4*a + 4*c^2*b^2)*u^4 + 12*c^4*b*u^2 + 8*c^6)
[asir]
[2] fctr(-8*c^3*v^3 + (-4*c^2*b*u^2 - 8*c^4)*v^2 + (8*c^3*a*u^4 + 8*c^3*b*u^2 + 8*c^5)*v + (4*c^2*b*a*u^6 + (8*c^4*a + 4*c^2*b^2)*u^4 + 12*c^4*b*u^2 + 8*c^6));
[[4,1],[c,2],[b*u^2+2*c*v+2*c^2,1],[a*u^4+b*u^2-v^2+c^2,1]]
ここで、点(u,v)は(1)を満たすので、
y2 - (x+b)(x2-4ac2) = 4c2(bu2+2cv+2c2)(au4+bu2+c2-v2)/u6 = 0
となる。
よって、点(x,y)は、楕円曲線E2上にある。
■楕円曲線E2上の点(x,y)について、(u,v) = φ-1(x,y)とする。
(v2-au4-bu2-c2)に(3),(4)を代入して、pari/GPとasirで計算する。
[pari/GP]
gp> f(u,v)=v^2-a*u^4-b*u^2-c^2
time = 0 ms.
gp> g(2*c*(v+c)/u^2,(4*c^2*(v+c)+2*b*c*u^2)/u^3)*u^6
time = 3 ms.
gp> f(2*c*(x+b)/y,(2*c*x*(x+b)^2-c*y^2)/y^2)*y^6
time = 23 ms.
%55 = 4*c^2*y^2*x^6 + 16*c^2*b*y^2*x^5 + (-16*c^4*a + 24*c^2*b^2)*y^2*x^4 + (-4*c^2*y^4 + (-64*c^4*b*a + 16*c^2*b^3)*y^2)*x^3 + (-12*c^2*b*y^4 + (-96*c^4*b^2*a + 4*c^2*b^4)*y^2)*x^2 + (-12*c^2*b^2*y^4 - 64*c^4*b^3*a*y^2)*x + (-4*c^2*b^3*y^4 - 16*c^4*b^4*a*y^2)
[asir]
[0] fctr(4*c^2*y^2*x^6 + 16*c^2*b*y^2*x^5 + (-16*c^4*a + 24*c^2*b^2)*y^2*x^4 + (-4*c^2*y^4 + (-64*c^4*b*a + 16*c^2*b^3)*y^2)*x^3 + (-12*c^2*b*y^4 + (-96*c^4*b^2*a + 4*c^2*b^4)*y^2)*x^2 + (-12*c^2*b^2*y^4 - 64*c^4*b^3*a*y^2)*x + (-4*c^2*b^3*y^4 - 16*c^4*b^4*a*y^2));
[[4,1],[y,2],[c,2],[x+b,3],[x^3+b*x^2-4*c^2*a*x-y^2-4*c^2*b*a,1]]
ここで、点(x,y)は(2)を満たすので、
v2-au4-bu2-c2 =
4c2y2(x+b)3(x3+bx2-4ac2x-4c2-y2)/y6 = 0
となり、点(u,v)は、楕円曲線E1上にある。
よって、楕円曲線E1とE2は、双有理変換φとφ-1により、互いに写し合うことが証明できた。
[参考文献]
- [1]I.Connell, "Elliptic Curve Handbook", Aug, 1997, p105-111.
- [2]三島 久典,数学者の密室--楕円曲線上の有理点.
- [3]Joseph H. Silverman, John Tate(著), 足立 恒雄, 木田 雅成, 小松 啓一, 田谷 久雄(訳), "楕円曲線論入門", シュプリンガー・フェアラーク東京, 1995, p127, ISBN4-431-70683-6, {3900円}.
Last Update: 2005.06.12 |
H.Nakao |