NetBSD-2.0 on Palm Top PC110
PC110でNetBSD-2.0を使う[2005.05.29]
IBM PalmTop PC110(Model 2A31-YDT)という小型パソコンを持っているが、長い間休眠していた。
久しぶりに取り出して、試しに、NetBSD-2.0/i386をインストールして、どの程度実用になるかどうか調べることにした。
今回、用意したものは、以下の通りである。
- IBM PalmTop PC110本体(SL Enhanced i486SX, 33MHz, 20MB RAM)
- ACアダプター
- ポートリプリケータ
- シリアルマウス
- FDドライブユニット
- リチウム電池(CR2016, 消耗していたので新品に交換)
- コンパクトフラッシュメモリ(RIDATA, 2GB, NetBSDをインストールするために新規購入)
- PCMCIA LANカード(Corega Ether II, 10BaseT)
NetBSD-2.0/i386のインストール手順で、注意すべき点は、以下の通りである。
- PC110本体に、ポートリプリケータとFDDドライブを接続する。
また、コンパクトフラッシュメモリとPCMCIA LANカードも装着する。
- BIOS(イージー・セットアップ)を呼び出す。
[F1]キーを押しながら、電源スイッチを入れる。
[Startup]で、bootデバイスを、FDドライブ, コンパクトフラッシュの順に指定する。
- boot1.fsを書き込んだFDから起動する。
FD交換のメッセージが表示されたら、boot2.fsを書き込んだFDに交換して、どれかのキーを押す。
- NetBSD-2.0のインストーラのメッセージに従って、インストールする。
インストール先のコンパクトフラッシュメモリは、wd1である。
コンパクトフラッシュメモリからNetBSDを起動させることにより、PCMCIAスロットが2個(1個はLANカード,もう1個はフラッシュモメリカードなどに)利用できる。
wd1のdisklabelはこのように設定した。
ちなみに、wd0は本体内蔵のフラッシュメモリ4MBであるが、こちらは利用しない。
- インストールセットは、別サーバ(こちらもNetBSD-2.0/i386)から、ftpで取得することにする。PCMCIA LANカード(ne2)とネットワークの設定が必要である。
- インストールが完了したら、NetBSDをshutdownして、電源を切る。
FDドライブユニットはもう不要なので、外しても構わない。
- 電源を入れると、wd1(コンパクトフラッシュメモリ)からNetBSDが起動する。
- rootでログインして、各種の設定をする。
- kernelを再構築する。configファイル中で、apmを有効にしておく。
コンパイルには、かなり時間が掛かるので、1晩かけて気長に待つ。
効率を考えると、他のマシン上でbuildしたものをftpする方が良さそうだ。
不要なデバイスを外したので、PCMCIA LANカードはne0となった。
再構築したkernelによる起動時のメッセージは、このようになった。
最適化したkernelでもファイルサイズが約4MBあるので、最低でも8MB以上のRAMがないと、NetBSD-2.0を使用するのは難しそうだ。
- ACアダプタを接続してzzzコマンドでサスペンドすると、充電池に充電できることが確認できた。
PC110を少し使ってみると、i486SX 33MHzということで、予想通り遅い。
いくつかのアプリケーションやライブラリをコンパイルしてみたが、どれも時間が掛かる。
- bash-2.05a
- FreeWnn-1.10a
- mule-2.3
- GNU make-3.80
- apache-1.3.33
- kterm-6.2.0
- GNU m4-1.4
- qpopper-4.0.5
- readline-4.3
- sudo-1.6.6
- wwwcount-2.5
そのために、約1週間掛かっても、環境構築がまだ完了していない。
次は、ruby-1.8.2とpari/gp-2.1.6をbuildする予定である。
しかし、NetBSDの動作自身には問題ないようである。
参考文献
- [1]"Palm Top PC 110オーナーズ・ガイド", GA88-3182-00, 日本IBM.
Last Update: 2008.02.17 |
H.Nakao |