NetBSD is 10 years old
NetBSD 10周年[2003.03.22]
最初のNetBSDであるNetBSD-0.8が1993年4月20日にリリースされて、もうすぐ10周年[1]だそうである。
1992年に、William Jolitzは、OSの研究を目的として、4.3BSD Net/2を元に、80386 PC互換機用に不足する部分を作成・追加して、386BSD[2]をリリースした。
386BSDのpatch kitsが元になって、NetBSDやFreeBSDのプロジェクトが誕生した。
その後、NetBSDは4.4BSD[3]を取り込み、多くの機能を実装し、現在では多くのアーキテクチャ上で動作するようになった。
近々、NetBSD-1.6.1のリリースが予定されている。
初めてNetBSDを見たのは1993年頃、会社のPC互換機上にインストールされていたもので、boot時のシステムメッセージが色付き文字で表示されていたことを記憶している。
そのときは、個人で使用できるUNIX(BSD)環境ができると少し期待したが、Pentiumを搭載したPC互換機やネットワーク機器(LANカード,HUB)は、まだ高価であった。
その後、Pentium搭載のPC互換機が普及して、ネットワークアダプタも低価格になり、自分のパソコンでもNetBSDを使いたいと思い始めた。
新規にパソコン(Pentium 133MHz, RAM 64MB)を購入し、NetBSD-1.0をインストールしたのは、1995年8月のことだった。
当時は、カーネルの再構築に、数時間掛かっていた。
最初はNetBSDを良く分からずに失敗したこともあったが、使い込むにつれて、だんだん手に馴染んできた。
FreeBSDまたはNetBSDがPC互換機上で普及することを期待していた。
全く予想できていなかったのは、Linuxが流行することだった。
それから、7.5年後の現在は、自宅ではノートパソコンFMV-Biblo LOOX T9/80W(Crusoe TM5800 800MHz, RAM 256MB)とミドルタワー(AMD Athlon 700MHz, RAM 256MB)上で、会社ではFMV-5133NP/W(Pentium MMX 133MHz)上で、NetBSD-1.6を使用している。
インストールは、CD-ROMからbootして、CD-ROMからコピーするか、FDからbootして、ftp経由でコピーするかで、簡単にできる。
CPUとHDの高速化により、カーネルの再構築も1時間以内でできるようになった。
すでに、NetBSDの環境は、生活の一部であり、なくてはならないものになっている。
XFree86-4.2.0/3.3.6aとFreeWnn-1.10aのおかげで、日本語の入出力も問題なくできる。
日本語エディタとして、mule-2.3を愛用している。
プログラミング言語であるGNU Common LISP, Objective CAML, Standard ML/NJ, rubyなど、数論用のツールであるpari/gp, asir, SIMATH, ECPP, mwrankなども活用できるようになった。
これらのツールで、楕円曲線の有理点や整点を計算させている。
次に期待するのは、さらに高速な64bit CPUであるAMD x86_64を搭載したパソコンで、NetBSDを動かして、もっと大量の計算をさせることである。
参考文献
- [1]"秋葉原焼肉夜話第15回", BSD-Magazine, アスキー, No.15, p174-180, 2003, ISBN4-7561-4263-X, {1886円}.
- [2]William Fredrick Jolitz, Lynne Greer Jolitz(著), 吉川 邦夫(訳), "386BSDカーネルソースコードの秘密", アスキー出版局, 1996, ISBN4-7651-2042-3, {5600円}.
- [3]M.K.McKusick, K.Bostic, M.J.Karels, J.S.Quarterman, "The Design Implementation of 4.4BSD Operation System", Addison-Wesley Publishing Company, 1996, ISBN0-201-54979-4.
Last Update: 2005.06.12 |
H.Nakao |