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Upgrading to NetBSD 1.6


NetBSD-1.6にupgradeする[2002.09.22]


NetBSD-1.6がReleaseされたので、LOOX T9およびAthlon 700MHz機上でNetBSD-1.5.2からupgradeした。

基本的に問題なく作業できた。しかし、LOOX T9内蔵LAN rtk0は、(NetBSD-1.5.2と同様に)watchdog timeoutが発生して正常動作しないので、これまで通り、PCMCIA LANカード3COM 3C589(10BaseT)を使うことにする。

XFree86-4.2.0のセッションマネージャxsmでセッションの保存と読み込みがうまく動作しない。原因が分からないので、xsmを使わずに、.xinitrcで固定アプリケーションを固定位置に起動するように設定して、回避した。 また、Athlon機(JAGUAR)で使用しているdisplayカード ELSA Synergy 2000 Quadro2 EXがXFree86-4.2.0でまだサポートされていないようである。 こちらは、当面はXFree86-3.3.6aを使って回避する予定である。

upgrade作業の概要は以下の通りである。
一応断っておくが、これはあくまで個人用のメモであり、個人のマシン環境と嗜好に大きく依存している。 参考にするのは構わないが、自分の環境に合わせて、適宜読み換えること。

  1. FDを2枚用意する。
    Windows上では、FAT 1.44MBでformatした後、rawrite.exeまたはrawrite32.exeで、それぞれboot1.fs, boot2.fsを書き込む。
    NetBSD上では、ddを使うこと。
  2. boot1.fs FDで起動する。boot2.fs FDに交換するようにメッセージが表示されたら、boot2.fs FDに交換して、キーを押す。
  3. インストーラ(/sysinst)が起動する。 いつの間にか、背景色が青に変わっていた(1.5.2では、背景色は黒)。 インストール先のHDD(ここでは、sd1とする)に、/etc.oldが残っている場合は、"e: Utility menu"を選択して、HDDをmountし、etc.oldを削除するか、または、別の名前に変更する。
    # mount /dev/sd1a /mnt
    # cd /mnt
    # mv etc.old etc.org
    # cd /
    # umount
    # exit
    
  4. メニューより"b: Upgrade NetBSD on a hard disk"を選択する。 インストール先のHDD(ここでは、sd1)を指定する。
  5. Bootblocks Selectionでは、"a: Use normal bootblocks"を選択する。
  6. Select your distributionでは、"b: Custom installation"を選択する。
  7. Selection toggles inclusionでは、"i: Gemes"を外す。 インストールセットの選択が終了したら、"x: Exit"を選択する。
  8. ファイル展開時に、ファイル名を表示するかどうか聞いて来るので、"b: Yes"を選択する。
  9. インストールセットの場所を聞いて来るので、"f: local dir"を選択する。
    Change ?で、"a: directory"を選択する。 ディレクトリ名を聞いて来るので、"/mnt/home/his/NetBSD-1.6/i386/binary/sets"を入力する。バイナリファイルが展開される。
  10. 展開が完了すると、続けるかと聞いてくるので、"a: ok"を選択する。
    deviceファイルを作成する。
  11. インストールが完了し、rc.confのrc_configured=NOをYESに変更するように注意してくれる。続けるかと聞いてくるので、"a: ok"を選択する。
  12. メニューから、"x: Exit Install System"を選択する。
    インストーラを終了する。
  13. sedを使って、rc.confを変更する。
    # mount /dev/sd1a /mnt
    # cd /mnt/etc
    # sed -e 's/rc_configured=NO/rc_configured=YES/g' <rc.conf >rc.conf.new
    # more rc.conf.new
    # mv rc.conf rc.conf.org
    # mv rc.conf.new rc.conf
    
  14. /etc.old/ifconfig.ex0をコピーする。
    # cp ../etc.old/ifconfig.ex0 .
    
  15. /mntをumountする。FDを抜いて、再起動する。
    # cd /
    # umount /mnt
    # sync;sync;sync;shutdown -r now
    
  16. 起動時にboot device, dumps(swap), file systemを聞いて来るので、それぞれsd1a, sd1b, ffsを入力する。
  17. login:でユーザ名root、パスワードなしでログインする。
  18. bash(従来のバイナリ)を起動する。環境変数EDITORを設定する。
    # /usr/gnu/bin/bash
    # export EDITOR=/usr/gnu/bin/mule
    
  19. /etc.old以下のファイルを参考にして、/etc以下のファイルを編集する。
       hosts
       shells
       group
       sudoers
       rc.conf
       rc.local
       rc.shutdown.local
       ld.so.conf
       man.conf
       ntp.conf
       inetd.conf
       wscons.conf
       ttys
    
  20. /etc/localtimeのsymbolic link先を変更する。日付と時計を合わせる。
    # cd /etc
    # ln -fs /usr/share/zoneinfo/Japan localtime
    # date MMDDhhmm.ss
    
  21. rootのパスワードを設定する。ユーザrootの.bashrc,.profileを編集する。
    ユーザ情報を/etc.old/master.passwdより引き継ぐ。
    # passwd root
    # /usr/gnu/bin/mule /root/.bashrc
    # /usr/gnu/bin/mule /root/.profile
    # vipw
    
  22. ソースファイルを展開する。
    # cd /
    # tar zxf /home/his/NetBSD-1.6/source/syssrc.tgz
    # tar zxf /home/his/NetBSD-1.6/source/src.tgz
    # tar zxf /home/his/NetBSD-1.6/source/gnusrc.tgz
    # tar zxf /home/his/NetBSD-1.6/source/sharesrc.tgz
    # cd /usr/src
    # tar zxf /home/his/NetBSD-1.6/source/xsrc.tgz
    # tar zxf /home/his/NetBSD-1.6/source/pkgsrc.tgz
    
  23. kernelのconfigファイルGENERICを元にして、JAGUARを編集する。
    # cd /sys/arch/conf
    # cp GENERIC JAGUAR
    # /usr/gnu/bin/mule JAGUAR
    
  24. kernelをconfigする。kernelをbuildする。
    # config JAGUAR
    # cd ../compile/JAGUAR
    # make depend
    # make
    
  25. kernelを置き換える。
    # chmod 444 netbsd
    # mv /netbsd /netbsd.old
    # cp netbsd /netbsd
    
  26. /grub/menu.lstを編集する。
    # /usr/gnu/bin/mule /grub/menu.lst
    
  27. NetBSDを再起動する。
    # sync;sync;sync;shutdown -r now
    
  28. 一般ユーザでログインする。
    以下、XFree86-4.2.0を設定する。
    rootになる。時計を合わせる。XF86Config.newを作成する。
    $ sudo bash
    # date hhmm.ss
    # XFree86 -xf86config XF86Config.new
    
  29. XF86Config.newを編集する。/etc/XF86Configにコピーする。一般ユーザに戻る。
    # mule XF86Config.new
    # cp XF86Config.new /etc/XF86Config
    # exit
    
  30. .xinitrcを編集する。
    $ mule .xinitrc
    
  31. xinitでXを起動する。
    $ xinit
    
  32. ktermを起動する。
    $ kterm &
    
  33. kterm上でmuleを起動して、日本語が表示されることを確認する。
    $ mule -nw
    

[2002.10.14追記]
会社で使っているノートパソコンFMV-5133NP/Wも、NetBSD-1.4.2からNetBSD-1.6にUpgaredeしたので、自宅と会社のNetBSDのVersionが1.6に統一できた。 CPUがPentium MMX 133MHzなのはまあ良いとして、HDDが1.6GBしかないので、NetBSD-1.6のソースを全て展開することはできず、Kernel sourceだけ展開した。 XFree86については、とりあえずXFree86-3.3.6a(NetBSD-1.5.3のバイナリから展開)を使うことにした。

参考文献



Last Update: 2005.06.12
H.Nakao

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