Fractions
小学生に分数の割算は必要だ[2001.12.01]
数学や算数に分数(有理数)は必要である。分数を使わなければ、表現できない数が存在する。例えば、1/3は有限小数では表現できない。また、分数で表現できない数(つまり無理数)や、実数について後で学ぶためにも、有理数についての知識は必要になる。よって、分数の加減乗除の演算も必要となる。
問題は、分数を教える教師が分数の割算の意味を正しく理解できていないと、生徒に演算のやり法のみを教えて、なぜそうするか、それが何を意味するかを教えずに終ってしまうことにある。
数学の掲示版などで見かける初歩的疑問として、
- (-1)*(-1)=1はなぜか?
- 0.999....=1か?
- 分数の割算の意味は?
がある。これらについて、どんな説明あるいは証明をしても、いつまでも納得できない人が存在するために議論が停滞したり、議論にならなかったりして、スレッドが消えてしまう頃、同じ質問が別の人によって挙げられ、同じことが繰り返されるということが良く目に付く。
これらは全て数学的には解決済みの問題であり、これらを理解した上で、さらに先に進まなければならないのに、それができないのはどこに問題があるか?
教育現場で、論証と議論の訓練が欠けているためではないだろうか?義務教育において、議論の方法や論証について、もっと教育される(練習する)機会が与えられることが必要であると思う。題材として、初等幾何学でも良いが、他のものでも良い。
Last Update: 2005.06.12` |
H.Nakao |