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楕円曲線論のページ公開1周年[2002.03.18]

この"楕円曲線の話題"のページを公開してから、もうすぐ1年になる。 友人kay氏のサーバに間借りして、ひっそりと開始したが、Webカウンタも少し前に2000を越えた。

今、改めて思うことは、数学を学ぶのは楽しいということだ。 ある定理の証明が霧が晴れるように明確に理解できるようになったとき、または、ある問題が解けたときに、幸福を感じることができる。 また、プログラミングについても、デバッグが完了して作成したプログラムが思い通りに動作したとき、また、その結果により新しい発見があったとき、達成感と充実感を味わえる。 大学生の頃に、個人で自由に使えるUNIX環境があれば、きっと、楕円曲線論や数論アルゴリズムにも興味を持ったであろうと思う。

楕円曲線論に取り組むきっかけになったJ.H.Silverman,J.Tateの"楕円曲線論入門"[1]は良い本だと思う。 この本によって、楕円曲線を使った素因数分解のプログラムを作成することになった。
Poortenの"フェルマーの最終定理についてのノート"[2]は、x^3+y^3=382の有理点を計算機で求めようとする動機を与えてくれた。 この本では、最小解の共通分母(8122054393485793893167719500929060093151854013194574)だけを記述していることがポイントだ。 実際に最小解を求めることができたのも、計算機があればこそである。

Hardy,Wrightの"数論入門"[4]も内容豊富で、興味深い話題も数多く取り上げている。 N.P.Smartの本[5]は、LLLアルゴリズムをプログラムするときに参考にした。 暗号と数論の関連については、"暗号・ゼロ知識証明・数論"[3]が面白かった。

2001年は、近年で最も多くの数学の専門書を購入した年となった。 また印刷した関連論文の総ページ数も1000を越えた。 振り返ると、物量・資源を大量投入した1年であった。

現在は、J.H.Silvermanの"AEC"[6],"ATAEC"[7]とHartshorneの"Algebraic Geometry"[8]を中心に読んでいるが、これらを読み終るときが来るかどうかはまだ分からない。

プログラム作成やちょっとした計算には、当初はGNU Common LISP, rubyを使っていたが、最近では、pari/GPやAsirを使うことも多い。 大学時代には想像もつかなかった程、便利な時代になったものだ。

参考文献


Last Update: 2005.06.12
H.Nakao

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