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Integral Points of Curves: y^2=3x^l+1 (l=5,7,11,13,17,19,23,29)


[2004.06.06]y^2=3x^l+1(l=5,7,9,11,13,17,19,23,29)の整点



■奇素数lを5,7,11,13,17,19,23,29のいずれかとする。
以下では、底をyとする3のFermat商q3(y)=(y2-1)/3が完全l乗数xlに等しくなるものを求める。

つまり、lを固定したとき、Diophantus方程式
     (y2-1)/3 = xl
の整数解x,yを求める。

これは、それぞれ超楕円曲線
     El: y2 = 3xl+1
の整点を求めることと同値である。

各超楕円曲線Elは、自明な整点(0,±1)を持つ。

■l=5,7,11,13,17,19,23,29に対して、超楕円曲線El: y2 = 3xl+1の整点を求める。
x,yを整数とする。
     (y+1)(y-1) = 3xl --------- (1)

     gcd(y+1,y-1) = gcd(y+1,2) = 1 or 2
より、2つの場合に分ける。
[case i]gcd(y+1,y-1)=1つまりy:偶数の場合
(1)より、ある整数X,Yが存在して、
     y+ε = 3Xl, -------- (2)
     y-ε = Yl, --------- (3)
     ここで、x = XY, --------- (4)
     ε = ±1, gcd(X,Y)=1
となる。
(2),(3)より、
     Yl-3Xl = ±2 ----- (5)
を得る。
pari/gpでThue方程式(5)の解を求めると、lが上記のいずれの場合でも、±(1,1)に限ることが分かる。
(4)より、x=1, (3)より、y=±2を得る。
よって、この場合、(1)の整数解は(1,±2)に限る。

[pari/gpによる計算]

[case ii]gcd(y+1,y-1)=2つまりy:奇数の場合
(1)より、ある整数X,Yが存在して、(case ii-1)
     y+ε = 3・2Xl, -------- (6)
     y-ε = 2(l-1)Yl, --------- (7)
または、(case ii-2)
     y+ε = 3・2(l-1)Xl, -------- (8)
     y-ε = 2Yl, --------- (9)

     ここで、x = 2XY, --------- (10)
     ε = ±1, gcd(X,Y)=1
となる。
[case ii-1](6)&(7)の場合
     3Xl-2(l-2)Yl = ±1 ----- (11)
を得る。
各lについて、以下のように素数plを選ぶと、Thue方程式(11)はZ/plZ上で解を持たないことが分かる。

     p5 = 11,
     p7 = 29,
     p11 = 23,
     p13 = 53,
     p17 = 103,
     p19 = 647,
     p23 = 47,
     p29 = 59.

各lについて、Thue方程式(11)は、整数解を持たない。
この場合、(1)の整数解は存在しない。

[pari/gpによる計算]
gp>  read("3x5p1.gp")
time = 0 ms.
gp>  find3(3,1000,5)
time = 2 ms.
%1 = [5, 11]
gp>  find3(3,1000,7)
time = 13 ms.
%2 = [7, 29]
gp>  find3(3,1000,11)
time = 10 ms.
%3 = [11, 23]
gp>  find3(3,1000,13)
time = 50 ms.
%4 = [13, 53]
gp>  find3(3,1000,17)
time = 189 ms.
%5 = [17, 103]
gp>  find3(3,1000,19)
time = 7,813 ms.
%6 = [19, 647]
gp>  find3(3,1000,23)
time = 40 ms.
%7 = [23, 47]
gp>  find3(3,1000,29)
time = 64 ms.
%8 = [29, 59]

[case ii-2](8)&(9)の場合
     Yl-3・2(l-2)Xl = ±1 ----- (13)
を得る。
各lに対して、pari/gpで、Thue方程式(13)の解を求めると、(0,±1)に限ることが分かる。
(10)より、x=2XY=0, (6)より、y=±1を得る。
この場合、(1)の整数解は(0,±1)に限る。

[pari/gpによる計算(l=5,7,11,13,17,19,23の場合)]
[pari/gpによる計算(l=29の場合)]


以上より、l=5,7,11,13,17,19,23のそれぞれに対して、(1)の整数解(x,y)は、自明なもの
     (0,±1), (1,±2)
の4個に限る。

よって、l=5,7,11,13,17,19,23,29のそれぞれに対して、超楕円曲線El: y2 = 3xl+1 の整点は、以下の4個に限る。
     El(Z) = { (0,±1), (1,±2) }

定理
奇素数lを5,7,11,13,17,19,23,29のいずれかとする。
底が正整数mである3のFermat商q3(m)が完全l乗数になるのは、mが1,2の時(以下の2個、つまり自明なもの)に限る。
     (12-1)/3 = 0l,
     (22-1)/3 = 1l.



[参考文献]


Last Update: 2005.06.12
H.Nakao

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